がんばるブラザーズ

子供たちの家庭学習やサッカーの記録。

統合失調症の母を持つ子供の話 (2)

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今日は仕事始めだった。あれだけ心の準備をしていたのに、蓋を開けてみると誰もその質問をしてくる人はいなかった。ホッとしたような、拍子抜けしたような。でもまだまだ始まったばかり。油断するのはまだ早い。

▽ これまでの話 gambaruko.hatenablog.com

今日は、わたしが子供だったころの話をしようと思う。

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統合失調症の母を持つ子供の話 (1)

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明日から仕事がはじまる。毎年、休み明けに必ず患者さんたちから聞かれることがある。

「実家には帰ったの?」

この質問は必ずくる。必ずくるから、答えを準備しておかなければいけない。去年は「母は友達と旅行に行くんですって。だから家族水入らずで普通に過ごしました」と答えた。我ながらいいアイディアだった。今年もその線でいこうと思っている。

母とはかれこれ2年ほど会っていない。連絡もとっていない。母からの連絡も一切ない。その事実を患者さんとの世間話で正直に話したら、きっとみんな引くだろうと思う。中には、そんなわたしを咎める人もいるだろう。何も知らないのに。だからわたしは絶対に言わない。

これまで何度かこのことを書こうと思ってきたけれど、なかなかまとめられなかった。今回もどうなるかわからないけれど、とりあえずやってみようと思う。多分、これを書くことは自分のためになると思うから。

今回は、統合失調症の母とのエピソードをいくつか紹介しようと思う。きつい話が多いかもしれないのでたたみます。それから、ここに書く内容は統合失調症の方すべてに当てはまるものではなく、あくまでもわたしの母の話です。

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サンタさんからのプレゼントを辞退することになった経緯について

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今日はクリスマスイブ。クリスマスパーティーは昨日すませたので、今日も明日も平常運転の我が家です。プレゼントも昨日のうちに渡したので、休日をゆったりと家で過ごしながら、十分に楽しめた様子の子供たち。

 

何度かここでも書きましたが、うちの子供たちはサンタさんからのプレゼントを辞退しています。今日は、そうなった経緯について書いてみようと思います。

 

サンタさんの代わりに、誰かのサンタさんになったことがある人に向けたお話です。

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次男(小3)に吃音の症状が出たときの話

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次男(小3)が幼稚園に通っていたころの話。

 

 

入園してしばらくしたころ、突然どもるようになった。

 

「あ、あ、あ、あ、あのね、き、き、き、きょうの、お、お、お、べんとうね…」

 

山下清画伯のような感じの「くりかえし」もしくは「連発」と言われる種類の吃音だった。びっくりしたわたしはつい、「ゆっくり話してごらん」と言ってしまった。次男はちょっとだけ悲しそうな顔をしていた。

 

すぐに幼稚園の先生に相談した。

 

「もう少し様子をみましょう」

「お母さんもあまり気にしすぎないようにね」

「続くようであれば、また考えましょう」

 

幼稚園でも時々どもることはあるけれど、いつもではないこと。今、ちょっと苦手な子との関わりで困っているように見えるので、もしかしたらそういうことも関係があるかもしれないこと。そして、「お家でゆっくり過ごせるようにしてあげてください」とアドバイスされた。

 

吃音への対応で気をつけたこと

先生からのアドバイスと、インターネットから得た情報から、次男の吃音への対応で気をつけたことは、だいたい以下の3つ。

 

  1. 吃音について触れない
  2. 次男のペースに合わせる
  3. スキンシップを増やす

 

吃音について触れない

「ゆっくり話してごらん」と言ったときの、次男の傷ついた顔をみて、吃音について触れないほうがいいんだなと思った。次男は別に急いで話そうとしていたわけではないし、うまく言葉が出ないから「ゆっくり話せ」と言われても、悲しい気持ちになるだけだ。

 

幼稚園では友達や、友達のお母さんに言われることがあるかもしれない。それはある程度仕方ないにしても、家では「吃音について触れない」と決めた。

 

具体的には、次男がどんなにどもったとしても、彼が言わんとするところは理解できるので、それに対して返事をするようにした。そして、話を聞くときは目線を合わせるように気をつけた。当たり前のようだけど、子供の目線に合わせて話を聞くというのは、なかなか大変だ。でも、「ちゃんと聞いてるよ、あなたの話はちゃんと伝わっているよ」ということを、てっとりばやく伝えるには、それが一番いいと思った。

 

次男のペースに合わせる

2つ年上の長男がいると、どうしてもそちらのペースに合わせた生活になりがちだ。幼稚園では自分より成長の早い子供たちに囲まれ、家では何をやっても勝てない兄と過ごす。自分より年上の子供たちと過ごすことは、いいこともたくさんある。でも、それと同じくらい疲れることもあるんだろうなぁと思った。

 

具体的にしたことなんてたいしたことはない。わたしが、わたしの意識を変えただけ。長男と同じように行動できるからといって、「ついてくるのが当たり前」と思わないこと。次男には次男のペースがあること。そういうことを常に意識するようになった。

 

そして、時々、次男と2人だけで過ごす時間を作るようにした。散歩をしたり、大好きなドーナツを食べに行ったり、次男がしたいことを思いきり楽しめるような時間を作った。

 

スキンシップを増やす

それまでも抱っこしたり、お膝の上に乗せたり、わりとスキンシップは多いほうだと思っていた。でもやっぱり、幼稚園に入って母親から離れて過ごすようになって、不安や緊張でいっぱいなときは、もっともっと甘えたいんだろうな。そう思って、意識的にスキンシップを増やした。

 

話を聞くときに背中に手をおいてさすったり、頭をなでたり、手をつないだり、ぎゅうっとしたり。「甘えたいだけ、甘えさせた」といいたいところだけど、長男の手前そこまではなかなかできず…。それでも、できるだけスキンシップをとるように心がけた。もちろん、長男にも。

 

その後の経過

そうやって過ごしているうちに、だんだんとどもることが少なくなっていって、1ヶ月ほどでだいぶ落ち着いた。それからはほとんど気になることはなかったけれど、年長の2月頃、もうすぐ卒園・入学というときになって、またどもるようになった。

 

このときは、明らかに目の前にせまった「小学校入学への不安と緊張」が原因だろうと思った。おそらく一過性のものだろう…と思いつつ、先生と相談しながら様子を見守っていたら、卒園する頃にはパタっとおさまった。このときのことを覚えている?と聞いてみると、次男はこんな風に答えてくれた。

 

「覚えてるよ。あのときは『あ、また上手く言えなくなっちゃったな』と思ったけど、全然気にならなかった」

 

全然気にならなかったという言葉を聞いて、心からホッとした。そのときのことが、嫌な思い出として残っていなくて本当によかった。

 

次男の感じを見ていると、大きなストレスや緊張を感じたときに、言葉に影響が出やすいのかもしれないと思う。ひょっとしたら、これから先もまた同じような症状が出るかもしれない。でもまあ、そのときの心配は、そのときのわたしたちに任せるとしよう。大事なことさえ忘れなければ、なんとかなるさと思っている。

 

たとえどもったとしても、次男は次男。大切な存在であることにかわりはない。わたしが今できることは、それを伝え続けることだろうなと思う。

 

おわりに

ここに書いたのはあくまでも次男のケースであって、誰にでも当てはまるわけではありません。こんなケースもあるんだな、という程度に受け止めてもらえたらと思います。

 

最後に、同じような悩みを持つ方のために、いくつかリンクを貼っておきます。

 

▽これを読むとわたしの対応はあながち間違いじゃなかったのかなと思えました

 

▽ちょっと古い記事だけど

子どもの心とからだの健康【どもり(吃音】|教育家庭新聞

 

 

でもやっぱり、心配ならば自治体の保健師さんに相談したり、日本言語聴覚士協会のサイトから言語聴覚士のいる施設を調べて相談したりすることをおすすめします。

 

▽日本言語聴覚士協会の公式サイト

https://www.jaslht.or.jp/

 

  

 

大切なのは、1人で悩まずに相談することだと思う。

 

 

どもる君へ いま伝えたいこと

どもる君へ いま伝えたいこと

 

 

おしまい。

クリスマスシーズンに読みたい絵本5冊

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クリスマスまであと11日。え、あと11日!?

 

まだ1歳ちょっとの猫がいる我が家では、作り物の葉をむしゃむしゃ食べてしまう事件が発生するため、今年はクリスマスツリーなし。ほかにクリスマスっぽい飾りつけをすればいいんだろうけど、実はわたし、雑貨を飾るのが苦手で。吊るしたり、貼ったりというのなら、掃除の邪魔にならないのでいいんだけど、そうすると猫たちが喜んで飛びかかったり、「なにこれなにこれ」って触りたがったり…。

 

そういうわけで、ちっともクリスマスムードの漂わない、普通の日々を過ごしている。

 

数年前までは、子供たちが通う幼稚園で行われていたアドヴェントの行事や、クリスマス祝会の準備などで、自然とクリスマスへ向けて気持ちが高まったものだった。アドヴェントクランツのろうそくに、1本ずつ火が灯っていくあの感じがとても懐かしい。

 

今回は、そんなアドヴェントにぴったりな、クリスマスの絵本を紹介する。

 

うまやのクリスマス

うまやのクリスマス

 

何度も紹介しているような気がするけど、クリスマスの絵本といえばこの本。言葉がとても美しく、静か。そして、絵が美しい。

 

むかし むかし あたたかい うまやのなかで

うしは ひくくなき

ろばは たかくなく

うまの あしぶみと

かちくの いきがきこえる 

 

クリスマスの本当の意味を知らない子にとっては、少々、いやかなり物足りない絵本かもしれない。この絵本には、テレビで流れてくるような賑やかさ、華やかさのかけらもない。クリスマスについての詳しい説明が書いてあるわけでもなく、ただ淡々と、静かに、クリスマスの1日が描かれている。

 

クリスマスとは、という絵本ならもっと他に適当なものがある。例えば、

クリスマスってなあに (講談社の翻訳絵本)

クリスマスってなあに (講談社の翻訳絵本)

 

とか 

クリスマスのものがたり (世界傑作絵本シリーズ―日本とスイスの絵本)

クリスマスのものがたり (世界傑作絵本シリーズ―日本とスイスの絵本)

 

とか。

 

それでもわたしはこの美しい絵と言葉でクリスマスの様子をあらわす、「うまやのクリスマス」が大好きだ。

 

やまあらしぼうやのクリスマス

やまあらしぼうやのクリスマス

 

この絵本に出会ったのは幼稚園のとき。幼稚園の配本で買ってもらった記憶がある。子供たちのためにどうしてもこの絵本を買いたかったんだけど、タイトルが思い出せず、探すのに苦労した。しかも、わたしが覚えていた表紙はこれではなかった。探していたのは、カバーをはずしたこちらの表紙の方だった。

 

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この絵本の感想は多分ふたつに分かれるのではないかと思う。以前、Amazonでストレートな批判レビューがあったけど、今見てみたらなくなっていた。そのレビューには、確かこんなことが書いてあった。

 

動物たちのいじめがひどくて気分が悪くなった。絵本でわざわざここまでひどい様子を描写する必要があるのか?子供もこの絵本を読むと嫌がった。

 

たしかにそうなのだ。この絵本には、主人公であるやまあらしのぼうやに、他の子供たちがひどい言葉を浴びせかける、いじめの場面が出てくる。先生はどうしたんだ?と言いたくなるくらい、ひどい。

 

それなのにだ。不思議なことに、子供の頃のわたしはこの絵本が大好きだった。自分で読んでいたので、おそらく小学校の低学年くらいだろうと思う。小学校に入って、明確に仲間はずれをされるようになったわたしにとって、この絵本は拠りどころだったのかもしれない。

 

自分よりいじめられているやまあらしぼうやを見て安心したかった?いや、そうじゃない。やまあらしぼうやのお母さんの言葉を聞きたかったから。やまあらしぼうやがいじめられて泣いて帰ってくるたびに、お母さんがやさしく言い続けたこの言葉。

 

ぼうやは おかあさんの こころのひかり 

 

この言葉に込められた思いを想像すると、あのころとは違う涙が出てくる。

 

ぐりとぐらのおきゃくさま

ぐりとぐらのおきゃくさま [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集 (1))

 

ぐりとぐらのシリーズは、よれよれになるほど読んだ。その中でも、実は一番大好きなのが、この「ぐりとぐらのおきゃくさま」だ。理由はとっても簡単。

 

 そのケーキときたらー

チョコレートと クリームが どっさりのっています。

 

ひげのおじいさんが作ってくれるクリスマスのケーキが、ものすごくおいしそうなのだ。しかも大きいの!すっごく!

 

わたしのことより大人のことが優先される家で育っていたので、クリスマスケーキなんて用意してもらったことがなかった。たとえば兄弟や姉妹がいれば、「クリスマスケーキが食べたい!」という声も2倍になっただろうし、「クリスマスケーキ食べたかったよね」と慰め合うこともできただろうけど、なんせわたしはひとりっ子。粛々と受け止めて、そんなものだと思ってやり過ごしていたんだろうと思う。

 

プレゼントもなく、焼き魚や煮物が食卓にのぼるクリスマス。そんな夜には「ぐりとぐらのおきゃくさま」を読んで、お話の世界にひたったものだ。こう書くと不幸そうに見えるかもしれないけど、そんなことはない。安心して思いきり飛び込める世界があるというのは、とてもしあわせなこと。ぐりとぐらは、いつでもあたたかく迎えてくれる友達だった。

 

しろくまくんのクリスマス

しろくまくんのクリスマス (世界の絵本ライブラリー)

 

この絵本は子供たちへのプレゼントのために選んだもの。書店で1冊1冊手にとって見ながら、 わかりやすいストーリーと、緻密な絵に惹かれて、これに決めた。ちょうど長男が2歳か3歳のクリスマスだったと思う。

 

雪の原にあいた穴をのぞきこんだしろくまくんが落っこちた先は、サンタクロースの部屋。サンタクロースに連れられて、しろくまくんはクリスマスプレゼントが作られていく様子を見学していく。

 

その描写が細かくて美しいのだ!

 

わたしが一番好きなのは、出来上がったプレゼントをラッピングする部屋のページだ。色とりどりの美しい紙やリボンがいっぱいでワクワクする。もう一人の隠れキャラでもあるペンギンの姿を追いかけていくのもおもしろい。絵だけでも十分楽しめる。

 

もちろん、ストーリーも素敵だ。

 

「これは、わたしから きみへの クリスマスプレゼントだよ。ともだちになった しるしにね!」

「うわあ、ありがとう!」

しろくまくんは、つつみを ひらいて めを まるくしました。

「あれ、ほんだ!ぼくの ことが かいてある!」

 

子供たちが成長し、お話の世界も楽しめるようになってからも、この絵本は子供たちのお気に入りの1冊となった。今でもそっと1人でこの絵本をひらいて、満足そうにしている次男の姿を見かけると、こちらまで嬉しくなる。

 

 

急行「北極号」

急行「北極号」

 

これは長男が赤ちゃんの頃に運営していたブログで、読者の方に教えてもらった絵本だ。「もう少し大きくなってからになると思うけど」という言葉のとおり、当時の長男にはまだまだ、まーだまだの内容だった。でもそれ以来ずっと、この絵本はわたしのお気に入りだ。

 

「急行 北極号」という名の汽車にのりこんで、北極点を目指す不思議な旅。乗客はパジャマ姿の子供たち。そして、北極点にはサンタクロースと、たくさんの小人たちが待っていた。その旅の様子が、パステルの独特なタッチと色合いで、あたたかく、夢のように美しく描かれている。

 

 

長男も、次男も、サンタクロースはきっといると信じている。周りの友達たちは、この絵本の主人公の友達のように、「サンタクロースなんているわけがない」「サンタクロースは家の人だよ」と言うそうだ。

 

ぼくはすっかりおとなになってしまったけれど、鈴の音はまだ耳に響く。心から信じていれば、その音はちゃんと聞こえるんだよ。

 

いつまでも鈴の音が聞こえる人であってほしい、と願うのは大人の勝手な思いかもしれない。それでも、わたしは、いつまでも鈴の音が聞こえる人でありたかったなと思う。

 

映画のお話は、ともたさんのところでどうぞ。

 

 

おわりに

クリスマスの絵本はもっともっとたくさんある。ここに書ききれなかった絵本もたくさん。

 

・子うさぎましろのお話

・よるくま

・サンタクロースっているんでしょうか?

・ちいさなもみのき

 

などなど。

 

いろんなクリスマスの過ごし方があるように、いろんなクリスマス絵本がある。わたしの5冊と、だれかの5冊はきっと違うはず。ぜひ、みなさんのお気に入りの絵本を教えていただけたらと思う。

 

 

 

おしまい。

 

 

▽ 絵本に関する記事

 

 

漫画が好きな子供は本を読まなくなる?

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うちの本棚には漫画がずらっと並んでいる。家族それぞれの趣味で選び、購入した漫画がずらっと並んでいるけれど、実は子供たちがまだ知らない秘密の漫画もある。いずれ目にすることになるだろうその漫画たちは、一番上の段の奥の方にしまってある。どんな漫画かっていうのは想像に任せるとして、それら漫画だけでなく、実はそれ以上に本*1もたくさん並んでいる。単行本も文庫本も、絵本も児童書も、写真集や作品集も。

 

夫の部屋には夫専用の本棚があり、そこには夫が趣味で集めた大事な本や、仕事に使う本が並んでいる。最近買った本などもそこに並べられている。

 

リビングには、マガジンラックとして使えるような棚を作ってもらったので、そこにニュース雑誌や図鑑、読みかけの本などが雑多な感じで置いてある。もうちょっとオシャレに見せる収納的なことを考えたいところだけど、この雑な感じがいいんだろうなとも思っている。

 

こんな風に、家のあちこちに本や漫画がある。 それが我が家だ。

  

〔コミック版〕はだしのゲン 全10巻

〔コミック版〕はだしのゲン 全10巻

 

わたしは本が好きな子供だった。おもちゃやファミコンは買ってもらえなかったけど、本は買ってもらえた。本は買ってもらえたけど、漫画は買ってもらえなかった。わたしが漫画と初めて出会ったのは、学校の図書室で読んだ「はだしのゲン」だったと思う。内容が内容だっただけに、それをきっかけに「漫画大好き!」とはならなかった。ただ、「こういう種類の読み物もあるんだな」と世界が広がったのは確かだ。 

学習まんが少年少女日本の歴史(23冊セット)

学習まんが少年少女日本の歴史(23冊セット)

 

それからハマったのが「学習漫画 日本の歴史」だった。学校の図書室で片っ端から借りて読んだ。教科書や授業よりも分かりやすかったので、予習復習には「日本の歴史」というのが定番になった。中学の図書室で「世界の歴史」を見つけてからは、もちろんそちらも同じように活用した。

 

もちろん学習漫画ばかり読んでいたわけではない。漫画雑誌なら「別冊マーガレット」が好きだった。いくえみ綾も、紡木たくも、矢沢あいも、藤子不二雄も、水木しげるも、手塚治虫も。漫画好きといえるほどではないにしても、漫画は好きだった。そして、今も好きだ。 

NARUTO-ナルト-  コミック 全72巻完結セット (ジャンプコミックス)

NARUTO-ナルト- コミック 全72巻完結セット (ジャンプコミックス)

 
柔道部物語 新装版 コミック 1-8巻セット (ヤンマガKCスペシャル)

柔道部物語 新装版 コミック 1-8巻セット (ヤンマガKCスペシャル)

 

今、うちの子供たちが一番ハマっている漫画は「NARUTO-ナルト-」だ。彼らはまず「ドラゴンボール」「ワンピース」あたりを読み、そこから「ジャイアントキリング」「弱虫ペダル」「柔道部物語」「ドラえもん」「キテレツ大百科」「パーマン」などを読み漁り、そして今はナルトの旅に出ている。夫は意図的にこれらの漫画を、子供たちの目に入りやすいところに置いている確信犯だ。子供たちはおもしろいように食いつき、どんどんハマっていく。

 

 

という話をお母さん仲間にすると、たいてい「うちも漫画好きだよ!」と「漫画かー…漫画ねー…」に分かれる。中にはハッキリと「うちは漫画は読ませていない。漫画を読みだすと、本を読まなくなるって聞いたから」と言う人もいる。それぞれの考えだから、それについてとやかく言うつもりはない。ただ、「漫画好きは本を読まなくなる」というのは必ずしも正解ではないということだけは言いたい。わたしは漫画が好きだけど、同じくらい本も好きだ。それはうちの子供たちにも言える。

 

子供たちはナルトにハマっている。でも、ナルトしか読まないわけではない。長男は今「ハリー・ポッター」「バーティミアス」あたりをじっくり時間をかけて読んでいる。次男は「かいけつゾロリ」「角野栄子のちいさなどうわたち」が好きだ。

 

また、学校の図書室からもどんどん本を借りてくる。その本もバラエティに富んでいて、あるときは伝記だったり、あるときは絵本だったり。またあるときは「◯◯のひみつ」シリーズを連続で借りてくることもあった。

 

雨でサッカーが中止になったときには、よく地域の図書館に行く。読みたい本をどんどん選んで、自分のカードを使って10冊借りる。もちろん、それらは借りてきただけで終わることもある。分厚い本を10冊選べば、2週間で読むのは難しい。それは図書館で借りようとしているときに分かることだけど、わたしはなにも言わないことにしている。「読んでみたい」と思って選ぶ気持ちの方を大事にしたいからだ。深い仲にはなれなかったとしても、その本を手に取ったことで挨拶くらいは済ませたことになる。今はそれでいいと思ってる。

 

いくら漫画が好きでも、本が好きでも、読みたくないときだってある。でも読みたいときに手を伸ばせる距離に漫画があれば、本があれば。子供たちは勝手にどんどん読むようになる。少なくともうちの場合はそうだった。漫画が好きな子供の中には、今、本を読まない子もいるだろう。だけど、数年後は分からないよ。漫画で「読む」ことを鍛えられている子の中には、突然分厚い難しい本を読み始める子だっているかもしれない。それに今は「マンガでわかるシリーズ」がすごく人気じゃないか。なんだっていいんだよ、まずは「読みたい!」「知りたい!」っていう気持ちを大事にしてあげたらいいんだよ。わたしはそう思ってる。

 

おわりに

最後にこれだけは言いたい。

 

(……きこえますか…きこえますか…うちの…子供たちよ… お母さんです… 今… あなたたちの…心に…直接… 呼びかけています…本や漫画を…歩きながら…読んでは…いけません…あなたたちの好きな…本や…漫画は…階段を上りながら読むものでは…ありません…座るのです…座って…読むのです…明るいところで座って読むのです…)

 

本が好きなのはいいことだ。漫画が好きなのもいいことだと思っている。でも、あまりにも集中しすぎて話が耳に入らなかったり、本を読みながら歩いたりするのだけはやめてほしい。それを守ってくれるなら、どんどん読むがいいと思っている。

  

 

バーティミアス (1) サマルカンドの秘宝

バーティミアス (1) サマルカンドの秘宝

 
角野栄子のちいさなどうわたち〈1〉

角野栄子のちいさなどうわたち〈1〉

 
角野栄子のちいさなどうわたち〈2〉

角野栄子のちいさなどうわたち〈2〉

 
まんがでわかる 7つの習慣

まんがでわかる 7つの習慣

 

 

 

 

おしまい。

 

 

【追記】

 

ブコメありがとうございます。

 

小さいころの読解力形成≒読書量が非常に重要なので漫画でもいいから読め、とはよく言われてますねhttp://goo.gl/YoXLkq 漫画が教育に悪いという世間イメージは日本全体の教育の視点だとまずいはず… - tick2tack のコメント / はてなブックマーク

 

 

 本をよく読む子はマンガもよく読むというので http://mainichi.jp/articles/20151027/ddm/002/040/153000c マンガを読ませると本を読まなくなるというのはあまり無いんじゃないかな。 - myrmecoleon のコメント / はてなブックマーク

 

http://mainichi.jp/articles/20151027/ddm/002/040/153000c

 

 

*1:もちろん漫画も本だけど、ここでは漫画以外の「本」ということで書いています。それから「漫画を読ませたくない」と思っている人の中には、漫画を本と認めていない人もいます。びっくり!