漫画が好きな子供は本を読まなくなる?
うちの本棚には漫画がずらっと並んでいる。家族それぞれの趣味で選び、購入した漫画がずらっと並んでいるけれど、実は子供たちがまだ知らない秘密の漫画もある。いずれ目にすることになるだろうその漫画たちは、一番上の段の奥の方にしまってある。どんな漫画かっていうのは想像に任せるとして、それら漫画だけでなく、実はそれ以上に本*1もたくさん並んでいる。単行本も文庫本も、絵本も児童書も、写真集や作品集も。
夫の部屋には夫専用の本棚があり、そこには夫が趣味で集めた大事な本や、仕事に使う本が並んでいる。最近買った本などもそこに並べられている。
リビングには、マガジンラックとして使えるような棚を作ってもらったので、そこにニュース雑誌や図鑑、読みかけの本などが雑多な感じで置いてある。もうちょっとオシャレに見せる収納的なことを考えたいところだけど、この雑な感じがいいんだろうなとも思っている。
こんな風に、家のあちこちに本や漫画がある。 それが我が家だ。
わたしは本が好きな子供だった。おもちゃやファミコンは買ってもらえなかったけど、本は買ってもらえた。本は買ってもらえたけど、漫画は買ってもらえなかった。わたしが漫画と初めて出会ったのは、学校の図書室で読んだ「はだしのゲン」だったと思う。内容が内容だっただけに、それをきっかけに「漫画大好き!」とはならなかった。ただ、「こういう種類の読み物もあるんだな」と世界が広がったのは確かだ。
それからハマったのが「学習漫画 日本の歴史」だった。学校の図書室で片っ端から借りて読んだ。教科書や授業よりも分かりやすかったので、予習復習には「日本の歴史」というのが定番になった。中学の図書室で「世界の歴史」を見つけてからは、もちろんそちらも同じように活用した。
もちろん学習漫画ばかり読んでいたわけではない。漫画雑誌なら「別冊マーガレット」が好きだった。いくえみ綾も、紡木たくも、矢沢あいも、藤子不二雄も、水木しげるも、手塚治虫も。漫画好きといえるほどではないにしても、漫画は好きだった。そして、今も好きだ。
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今、うちの子供たちが一番ハマっている漫画は「NARUTO-ナルト-」だ。彼らはまず「ドラゴンボール」「ワンピース」あたりを読み、そこから「ジャイアントキリング」「弱虫ペダル」「柔道部物語」「ドラえもん」「キテレツ大百科」「パーマン」などを読み漁り、そして今はナルトの旅に出ている。夫は意図的にこれらの漫画を、子供たちの目に入りやすいところに置いている確信犯だ。子供たちはおもしろいように食いつき、どんどんハマっていく。
という話をお母さん仲間にすると、たいてい「うちも漫画好きだよ!」と「漫画かー…漫画ねー…」に分かれる。中にはハッキリと「うちは漫画は読ませていない。漫画を読みだすと、本を読まなくなるって聞いたから」と言う人もいる。それぞれの考えだから、それについてとやかく言うつもりはない。ただ、「漫画好きは本を読まなくなる」というのは必ずしも正解ではないということだけは言いたい。わたしは漫画が好きだけど、同じくらい本も好きだ。それはうちの子供たちにも言える。
子供たちはナルトにハマっている。でも、ナルトしか読まないわけではない。長男は今「ハリー・ポッター」「バーティミアス」あたりをじっくり時間をかけて読んでいる。次男は「かいけつゾロリ」「角野栄子のちいさなどうわたち」が好きだ。
また、学校の図書室からもどんどん本を借りてくる。その本もバラエティに富んでいて、あるときは伝記だったり、あるときは絵本だったり。またあるときは「◯◯のひみつ」シリーズを連続で借りてくることもあった。
雨でサッカーが中止になったときには、よく地域の図書館に行く。読みたい本をどんどん選んで、自分のカードを使って10冊借りる。もちろん、それらは借りてきただけで終わることもある。分厚い本を10冊選べば、2週間で読むのは難しい。それは図書館で借りようとしているときに分かることだけど、わたしはなにも言わないことにしている。「読んでみたい」と思って選ぶ気持ちの方を大事にしたいからだ。深い仲にはなれなかったとしても、その本を手に取ったことで挨拶くらいは済ませたことになる。今はそれでいいと思ってる。
いくら漫画が好きでも、本が好きでも、読みたくないときだってある。でも読みたいときに手を伸ばせる距離に漫画があれば、本があれば。子供たちは勝手にどんどん読むようになる。少なくともうちの場合はそうだった。漫画が好きな子供の中には、今、本を読まない子もいるだろう。だけど、数年後は分からないよ。漫画で「読む」ことを鍛えられている子の中には、突然分厚い難しい本を読み始める子だっているかもしれない。それに今は「マンガでわかるシリーズ」がすごく人気じゃないか。なんだっていいんだよ、まずは「読みたい!」「知りたい!」っていう気持ちを大事にしてあげたらいいんだよ。わたしはそう思ってる。
おわりに
最後にこれだけは言いたい。
(……きこえますか…きこえますか…うちの…子供たちよ… お母さんです… 今… あなたたちの…心に…直接… 呼びかけています…本や漫画を…歩きながら…読んでは…いけません…あなたたちの好きな…本や…漫画は…階段を上りながら読むものでは…ありません…座るのです…座って…読むのです…明るいところで座って読むのです…)
本が好きなのはいいことだ。漫画が好きなのもいいことだと思っている。でも、あまりにも集中しすぎて話が耳に入らなかったり、本を読みながら歩いたりするのだけはやめてほしい。それを守ってくれるなら、どんどん読むがいいと思っている。
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おしまい。
【追記】
ブコメありがとうございます。
http://mainichi.jp/articles/20151027/ddm/002/040/153000c
*1:もちろん漫画も本だけど、ここでは漫画以外の「本」ということで書いています。それから「漫画を読ませたくない」と思っている人の中には、漫画を本と認めていない人もいます。びっくり!