サンタさんからのプレゼントを辞退することになった経緯について
今日はクリスマスイブ。クリスマスパーティーは昨日すませたので、今日も明日も平常運転の我が家です。プレゼントも昨日のうちに渡したので、休日をゆったりと家で過ごしながら、十分に楽しめた様子の子供たち。
何度かここでも書きましたが、うちの子供たちはサンタさんからのプレゼントを辞退しています。今日は、そうなった経緯について書いてみようと思います。
サンタさんの代わりに、誰かのサンタさんになったことがある人に向けたお話です。
「サンタさんなんていないよ!」
きっかけは、友達のひと言でした。当時小2だった長男が、学校で友達に笑われたというのです。
「サンタクロースなんていない!あれは全部親がやってることだ!」
よくある話といえば、よくある話。でも、サンタさんを信じている子供にとっては衝撃的な事件だったようで、ひどく傷ついていました。だんだんとそういう話は増えてくるだろうな。そろそろ考えたほうがいいな、と思いました。
その年のクリスマス、サンタさんは希望していたプレゼントをちゃんと持ってきてくれた。長男は「やっぱり、サンタさんはちゃんといる!」と心からホッとした様子で、大喜び!その姿をみて、わたしも胸をなでおろしました。
翌年の11月。長男は小3、次男も小1になり、次男の方も、
「サンタクロースなんていない!って友達が言ってた。でも、俺はいると思う」
と言い出しました。
いろんなサンタさんがいる
まず、子供たちがどんなところに疑問を感じているのか、いろんな人の話をまとめてみると…
- 煙突がないのにどこから入ってくるのか
- サンタクロースは外国の人なのにどうして日本のおもちゃをくれるのか
- 友達は、サンタさんに「ほしいものリストの中からプレゼントをもらう」
- 自分は、サンタさんに「(希望は別として)本当に必要なものをもらう」なぜ?
- 23日に来たり、24日に来たり、25日に来たり、毎年来る日がバラバラ
- サンタクロースが家の中に入ってきてたとしたら足跡が残っているんじゃないのか
- セコムがならないのはなぜだ
- うちには一度も来てくれない
- 親や年長の兄姉に「サンタクロースなんていない」と言われた
ざっとこんな感じのようです。疑問どころか、否定されている子だっているんですよ。わたしがそうだったように。サンタさん像がさまざまだからこそ、「いる・いない」論争が白熱するんでしょうね。
目に見えないものを信じることはなかなか難しいことです。信じる信じないは本人の自由。でも、「信じたい」と思っている子供に、「信じさせてあげたい」と思うのが親心。
わたしたちは悩んだ末に、「ちょっと早いかもしれないけど、今しかない気がする」という感触をたよりに、前年のクリスマスからあたためてきた計画を実行することにしました。
限界を感じる前に手を引く
正直に話すと、我が家にはサンタクロースが来たことはありません。トナカイがひくソリにのって、鈴をならして、赤い服を着た、あのサンタクロースは来たことがない。来てくれないサンタクロースの代わりに、毎年わたしたちがプレゼントを用意していました。
まだ後数年くらいなら、ごまかせる自信はありました。でも、じゃあ、いつ本当のことを話す?そのときはきっと「これまでプレゼントをくれていたのはサンタクロースではなくて親だった」という事実を話すことになるだろう。それって、子供の心を傷つけることになるんじゃないか?自分だったら、それがたとえ本当のことであっても、聞きたくない。親の口からなんて、絶対に聞きたくない。
そうならないために、限界を感じる前に手を引く。これが、わたしたちが出した答えでした。
子供たちに話したのは、以下のようなこと。
あのね、今日はサンタさんのことでちょっと相談があるんだ。世界中にはたくさんの子供たちがいるよね。その子供たちはみんな、あなたたちみたいにお父さんとお母さんがいて、暖かく過ごせるお家があって、ご飯も毎日当たり前に食べられるわけじゃないってことは、知っているよね。同じ日本でも、みんながそうというわけじゃない。それにね、今こうやって話している間にも、世界中でたくさんの赤ちゃんが生まれてる。サンタさんはその子供たちひとりひとりに、プレゼントを用意して運んできてくれるでしょ?すごくすごく大変だと思う。それで、ママたち考えたんだけど、あなたたちにはママたちが代わりにプレゼントをあげるから、サンタさんにはプレゼントいらないよって言ってあげない?そしたら、サンタさんちょっと楽になるんじゃないかなと思うんだけど。
長男は「ママたちにもらえるんだったら、そうしてもいい」と。次男は「えぇ!」とびっくりしていたものの、これまでどおり希望のものをもらえるとわかると「じゃあ、いいよ」と納得してくれました。
そして、サンタさんへ手紙を書きました。「ぼくたちの分はいらないから、他の子たちにあげてください」って。
その後のクリスマス
手紙を書いたその年のクリスマス。実はサンタさんから、ちょっとしたプレゼントが届きました。添えてあったサンタさんからの手紙には、「きみたちの優しい気持ちがうれしかったよ」と書かれていたそうです。
それからは、お菓子が届くようになりました。チョコレートだったり、クッキーだったり。普段食べているそれらとは少し違う味の、箱に外国の言葉がいっぱい書いてあるお菓子。子供たちは、大事に、大事に、食べています。
今年、次男はサンタさんへ手紙を書きました。そこにはこう、書かれていました。
サンタさんへ
今年もクリスマスプレゼントはもらわなくていいです。せかいじゅうの子どもたちがサンタさんからのプレゼントをまっています。なので、プレゼンをせかいじゅうの 子どもたちにくばるのがんばってください。あと去年にぼくが「クリスマスプレゼントもらわなくていい」っていったのにたこをくれてありがとうございました。サンタさんのことはだいすきです。
プレゼントがプレゼンになってて可愛い。しかも凧をもらったのは一昨年…!
長男は「まわりは信じてない人が多いけど、俺はいると思ってる」と言います。彼の心の中まではわかりません。 でも、「信じている」というかぎり、サンタさんからの気持ちも届くんじゃないかなと思います。
おわりに
我が家の子供たちがサンタさんからのプレゼントを辞退することになった経緯は以上です。
結局なんにも変わらない?そんなことはありません。サンタさんにプレゼントをねだることがなくなったかわりに、わたしたちには容赦なく希望をぶつけてくるようになりました。そして、直前になっての変更も可能とわかるようになりました。長男なんて、「プライムだったら明日届くでしょう?」なんていう始末。
親サンタ、なめんな!
正直そう思うこともあります。でもね、それでも、うちの場合はこれでよかったなと思っています。子供たちがサンタさんを信じているかぎり、小さなプレゼントはきっと届く。わたしたちができるかぎりのお手伝いは、これからもしていきたいなと思ってます。
心から信じていれば、その音はちゃんと聞こえるんだよ。
『急行「北極号」』より
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おしまい。
【追記】
長男が寝る前にあわてて書いた手紙もかわいかった。
おつかれのようでしたら…その優しさをわたしにもプリーズ。
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