がんばるブラザーズ

子供たちの家庭学習やサッカーの記録。

「自分をまもる本」をそっと本棚に並べておく理由

f:id:gambaruko:20151121234044p:plain

先日こんな出来事があった。

 

 

後日談を少しだけ。長男を2週間にわたってしつこく中傷していたRくん。先生の話によると、実はもうそろそろ潮時かなと思っていたそうだ。長男の、泣くでもなく、怒るでもなく、「違うよ」とだけいい続ける姿勢をみて、後ろめたさを感じはじめたところだった、と。それが本当かどうかわたしにはわからないことだけれど、Rくんにとって長男の態度が印象的だったということだけは確かだ。

 

それにしても。わたしだったら文句のひとつでも言ってやりたいと思うところなのに、「わかってくれたならそれでいいよ」とさらりと許す懐の深さにも、ただただ驚くばかりだ。ぜひ、弟にもその懐の深さで接してほしいなぁと思うけれど、それはまた別問題らしい。なるほどね。

 

 

 

わたしは、これまで何かあるたびに本を読んで気持ちを整理してきた。本に助けられてきた。だから、本の力を信じている。

 

何かを知りたいとき、学びたいとき、わたしはその本の中で、自分の知らない世界をみる。悩んでいるとき、不安なとき、わたしはその本の中に、自分が求めている言葉を探す。わたしはそうやって本とつきあってきたけれど、子どもたちにそれを押しつける気持ちはさらさらない。子どもたちは、子どもたちのやり方でやっていけばいい。

 

それでも。わたしはおせっかいな母だから、また今日も1冊、本棚にそっと本を並べる。いつか子どもたちが悩んだとき、迷ったときのために。子どもたちを助けてくれますように、と願いつつ。

 

ま、手に取るかどうかなんてわかんないけどね。

 

新版 自分をまもる本

 

この「自分をまもる本」は、簡潔にいうといじめ問題について書かれた本だ。章の構成は以下のとおり。これを見れば、どんなことが書いてあるのかだいたい想像はつくと思う。

 

  1. いじめってなに?
  2. 自分と友だちになろう
  3. 元気になるレッスン
  4. 自分をまもるかしこい方法

 

この本のすばらしいところは、たくさんの例をもとに、子どもにも分かりやすい言葉で「こういうときはこうすることもできるよ」「こう考えてみたらどうかな?」と書かれているところだと思う。そしてそれらが行き着く先は、すべて「自分を大切にしよう」ということ。このことを、こんなに分かりやすく伝えている本を、わたしはこれまで読んだことがない。

 

そして、いいなと思うのが「元気になるレッスン」だ。自分を大切にしよう、自分と友だちになろう、というけれど、一体どうすればできる?その言葉が指し示すものが、なにかいい感じのするものということはわかっても、実際にどうすればいいかわからなければ、なかなか一歩が踏み出せないものだ。

 

「元気になるレッスン」では、自分の好きなところをリストアップしたり、体にいいことをしてみたり、誰かにすてきなことを言われたら書きとめて大事にしまっておいたり、というような、自分と友だちになるための具体的なノウハウが紹介されている。しかもイラストがすごくかわいい!ここに書かれているのはすべて、簡単にできること、日常の会話の中にとりいれやすいことばかり。いつでも、誰にでもできる、いいレッスンだと思う。

 

最終章である「自分をまもるかしこい方法」は、子どもたちはもちろんだけど親であるわたしたちこそ読んでおきたい内容だ。なぜなら、わたしたちはその方法を知ってはじめて、子どもたちを助けることができるはずだから。

 

おわりに

前回の記事をまとめてみて、あらためて感じていることがある。

 

長男のこのことに対する態度は立派だった。心からそう思っている。だけど、彼の心の中まではわたしには見えない。本当はとてもとても傷ついていたけれど、せいいっぱい強がって「大丈夫」と我慢したのかもしれない。わたしが気づかなかっただけで、夜も眠れないほど悩んでいたかもしれない。そうじゃないかもしれないし、そうかもしれない。それは長男にしかわからないことだし、もしかしたら本人もよくわかっていないことかもしれない。確かなことは、その心の痛みはすべて、彼のものだということだ。

 

そう思ったとき、頭に浮かんだのがこの本だった。そろそろこの本を本棚に並べるときがきたんだな、と思った。

 

 

 

最後に。この本の巻末には、困ったとき・相談したいときに利用できる相談窓口がリストアップされている。相談する際に役立つ情報が細かく書いてあるすばらしいリストだ。

 

新版 自分をまもる本

新版 自分をまもる本

 

 

ということで、今日はこのへんでおしまい。

 

【追記】

 

そんな長男の現在の愛読書は、玉ちゃんのこれ。

男子のための人生のルール (よりみちパン!セ)

男子のための人生のルール (よりみちパン!セ)

 

すじたろうだよって何回教えても、「玉袋きんたろう!」って笑ってる。いろいろ読んで、大きくなーれ!