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がんばる小学生

がんばる小学生と家族の珍道中ブログ

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「名をのこさなくていい。ぼうず、いい手をもて」 手仕事とアカシアの木と、父の言葉。

児童書と絵本と漫画

 

わたしは手が好きだ。自分の手が好きなんじゃなくて、人の手を見るのが好き。

 

仕事がら、毎日たくさんの人の手を見る。ふっくらした手、ごつごつした手、小さい手、しわしわの手。手には、その人がよく表れる。

 

そう、表れてしまう!

 

ずぼらなわたしの手は、北風が冷たくなってくる頃にはカッサカサ。いかん、いかん。今年こそはしっとりすべすべの手になりたい。

 

 

今日は1冊の絵本を紹介しようと思う。

 

この絵本に出てくるルリユールおじさんは、木のこぶのようなゴツゴツした手を持っている。

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実はね、このごつごつした大きな手は「魔法の手」なんだよ。

 

 

ルリユールという名の手職人

ルリユールという言葉を聞いたのは、これが初めて。ルリユール(relieur)とは、フランス語のre-(もう一度〜する/〜し直す)、とlier(綴じる)を組み合わせた言葉だそう。

 

ルリユールとは、劣化した書物の綴じ直しや、仮綴じ本の装丁を施す職人のことである。

物質としての書物 ~フランスにおけるルリユール文化~ | 研究旅行

 

私達日本人には馴染みのない言葉ですが、『ルリュール』とは、フランス語で、手作りの製本・装丁という意味です。

装丁芸術とは−【古本・古書】本を愛する人の総合サイト・スーパー源氏

 

ああ、そうかと思い当たる人は多いはず。ヨーロッパの映画に出てくるような、革張りの表紙に金箔が押してある、古めかしく、美しい本。

 

ルリユールという手職人は、古くなった大切な本に新しい命を吹き込む人。その工程はなんと、60以上! 装丁によっては出来上がるまで半年ほどかかるものもあるそうだ。

 

そうして蘇った本は、子どもから孫、孫からひ孫へと受け継がれていく。

 

 

「名をのこさなくていい。ぼうず、いい手をもて」

この絵本の主人公であるソフィーは小さな女の子。大事にしていた植物図鑑がこわれてしまい、直してくれる人を探していたソフィーに、街の人が教えてくれたのが「ルリユールおじさん」だった。

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大好きな木(特にアカシアの木)への想いがあふれるソフィー。

 

 

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手仕事に本への愛情が滲み出るルリユールおじさん。

 

 

ルリユールおじさんは、ソフィーの植物図鑑に新たな命を吹き込みながら、同じルリユールだった父を思い出す。その言葉にぐっとくる。

 

「名をのこさなくていい。ぼうず、いい手をもて」

 

本を修復し、新しい命を吹き込む父の様子を、ちょうど今のソフィーのように見ていた幼い自分。

 

「とうさんの手は魔法の手だね」

 

まるで魔法の手だと、憧れをもって見つめていた父の手。

 

「わたしも魔法の手をもてただろうか」

 

 

子どもたちに伝えたいことってなんだろう

わたしは職人ではないし、冬場はカサカサでうるおい不足の手になるお母さん。子どもたちのお母さんと家のこと、それから医療関係の仕事をして、ときどき頼まれたものを書き、「がんばる小学生」というブログを書いている。わたしの仕事といったら、そんな感じだ。

 

そんなわたしが、子どもたちに伝えたいこと、伝えられることってなんだろう。

 

ルリユールおじさんのお父さんのように、子どもたちに伝えられることがあったらいいのに。それとも、気がついていないだけで、もしかしてもう伝えている、伝わっていることがあるのかな?

 

うーん。どうかなぁ。

 

わたしは、ルリユールおじさんのお父さんに、とてもとても憧れる。

 

おわりに

うーんうーんと考えていて、いっこだけ思い出した!子どもたちが小さい頃からずーーっとずーっと言い続けてきたこと。それは、

 

「女の子にやさしくすること」

 

といっても、そんなたいしたことじゃなく、ドアを開けてあげるとか、重い荷物をもってあげるとか、そのくらいのことだけど…。女の子が弱いわけでも、男の子より劣るわけでもないけど、そうしてもらえるとママはうれしいよって。

 

それを体現してくれる紳士がいてくれたおかげもあって、我が家には小さな紳士がふたりおります。未来の彼女やお嫁さん、わたし(と夫)に感謝してね!

 

 

………なんか違う気もするけど、本当はもっと違ういいことを伝えたいんだけど。

 

とりあえず、今日はこれでおしまい。

 

ルリユールおじさん (講談社の創作絵本)

ルリユールおじさん (講談社の創作絵本)