小学校入学前にやっておいたほうがいいのは勉強じゃなく生活習慣を身につけることだと思う。
就学前検診おわったーという話がちらほら聞こえ始める11月。
来年春に入学を控えたお子さんを持つお母さんたちの間で、入学準備にまつわるさまざまなことが話題になるのも、だいたいこの時期から。
この時期になると、決まってこういう話が聞こえてくる。
入学前に、ひらがなくらい書けるようになっておかないと。
入学前に、たし算くらいはできるようになっておかないと。
不思議に思って「どうして勉強しておく必要があるの?」と聞いてみると、
みんなやっているから。
やるのが普通でしょ?
ほとんどのお母さんがそう答える。
でも、わたしはそう思わなかった。小学校入学前に買ったほうがいいのは、ひらがなやたし算のドリルではなくて、目覚まし時計だと信じて疑わなかった。なぜか。
小学校入学前にやっておいたほうがいいのは、勉強じゃないと思っていたから。勉強よりも、基本的な生活習慣を身につけること。こっちの方がよっぽど大事!そう思っていたから。
で、実際に買ったのがこれだった。
とてもいい時計だったけど、2段ベッドから落っことして、早々に壊れてしまった…。
2代目として買った目覚まし時計は、今でも現役として毎朝ピピピピうるさく鳴りつづけている。だいたい2回はなる。スヌーズっていうやつ?
目覚まし時計をセットして、ひとりで寝て、ひとりで起きる。そういう基本的な生活習慣が身についてはじめて、学習習慣が身につく土台もできるんじゃないの?
というわけで、
勉強よりも基本的な生活習慣を身につけるのが先だと思う理由
答えはとてもシンプルで、基本的な生活習慣が身についていない人に、家庭学習を含めた理想的な学習習慣は身につかない、と思っているから。
夜遅くまでテレビをみたりゲームをしたりして寝るのが遅くなった。
朝は起こしてもらってなんとか起きて、朝ごはんを食べずに登校。
宿題、忘れてきちゃった!
あ、そういえば今日は絵の具を持ってこなきゃいけなかった!
生活習慣が身についていないと、スタートラインにも立てないっていうことがままある。学習に向けた準備ができているか、いないか。それによって得るものは大きく変わってくるはず。
体にしみついた生活習慣を変えていくのはとても大変なことだ。それが入学まもない時期であれば、子どもへの負担は計り知れないほど大きい。だからこそ、入学前の1年や半年という期間は、自立に向けた生活習慣を身につけることを優先するときなんじゃないかって、わたしは思ってる。子どものペースに合わせて、少しずつ。
もしそこで、苦手なことがわかれば、それに合わせたアプローチを早めに考えるいい機会になる。
入学前に身につけておきたい生活習慣
入学前に身につけておきたい生活習慣とは何か。一言でいえば、「自分のことは自分でする」ということだと思う。
- 早ね早おき朝ごはん
- 身じたくが自分でできる
- 持ち物の準備が自分でできる
- 時計をみて動くことができる
- あいさつができる
朝起きて、夜寝るまで。自分でできることは自分でやる。1人でやるのが難しいことは、どうすれば1人でできるようになるかを考えて、工夫してサポートする。
たとえば、身じたくなら、子どもが自分で身じたくしやすいように環境を整える、というのも立派なサポートだと思う。子どもにもできるような洋服のたたみ方を教えたり、子どもが自分で服を出したりしまったりしやすいタンスを選んだり。
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これは引き出しがとても軽いので、力のない子どもでも難なく開け閉めが出来る。
持ち物の準備なら、字が読めないうちはイラストや写真を使ってポスターを作ってあげれば、子ども1人でも必要なものをそろえることができる。
時計の読み方が分からなくてもいい。長い針、短い針という表現でも十分だし、時計のイラストや写真を使って「時計がこの形になったら○○をする」と示すこともできる。
そして、特に大事だと思っているのが、早ね早おき朝ごはんだ。これを中心に、1日の生活行動を考える。まずは寝る時間、起きる時間を決める。その時間に合わせてお風呂に入る時間や、食事の時間、テレビを見る時間を調整していく。
それには、もちろん家族の協力が必要だ。食事の時間やお風呂の時間などは特に大人の協力が必要。でもね、大事なのは家族が小さい子に合わせて行動することばかりではないと思ってる。
わたしは早々に子どもたちの寝かしつけをやめてしまった。そこに時間をとられ、家事が進まないことへのイライラから、寝かしつけをやめた。そのときに子どもたちに話したのは、「ママにはまだ仕事が残っているから一緒に寝てあげられない。でもあなたたちはもう寝る時間。明日も幼稚園だからね。」ということだった。周りのお母さんに話すと「かわいそう〜」と言われることも多かったけど、「寝ない!」とイライラするより、わたしにとっても子どもたちにとってもよかったのではないかと思っている。その代わり、子どもたちが子どもたちだけで寝られるように、大人の気配を感じられる部屋へ寝る場所を移動したり、寝る前には必ず絵本を1冊ずつ読んであげたりした。
自分が決めた時間に寝て、自分が決めた時間に目覚ましをセットして起きる。それは誰のためでもなく、明日の自分のためにすることだ。元気に遊べるように、しっかり勉強できるように。家族がどうあれ、それは自分のために、自分がすること。それができるようにサポートするっていうのも、協力の形なんじゃないかな。
こういう生活習慣というのは、1日や2日で身につくものではなく、時間をかけてじっくりと体に染み込ませていくもの。時には、立ち止まってやり方を見直すことだってある。そうやって試行錯誤をくり返しながら、毎日を積み重ねて、ようやく習慣になる。
基本的な生活習慣がしっかり身についた上で、なおかつ子ども自身に学びたい欲求があるなら、入学前にどんどん勉強させればいいと思う。きっとぐんぐん伸びるはず。
まとめ
我が家の子どもたちが通っていた園では、幼稚園の間は思いっきり遊びましょう!という方針だった。園の活動の中に、いわゆる「勉強」という要素は一切なかった。その代わり、さまざまな体験をとおした勉強はたくさんさせてもらったと思っている。
その体験をとおして、「字を書きたい」「字を読みたい」という子は確かにいた。長男もそのひとり。彼の場合は「絵本を読みたい」という気持ちが強かったようで、幼稚園の間にだいたいのひらがなは読めるようになっていたと思う。一方、次男は全くそういうものに興味がなく、虫や生き物の図鑑ばかり見ているような子だったので、入学時も自分の名前が読めて書ける程度だった。
2人とも勉強らしい勉強を始めたのは入学後から。そのことで学校での勉強についていけない、理解できないということはなかった。遊んでばかりだった園時代を懐かしんで「学校はぜんぜん遊べない。幼稚園はよかったなぁ、たくさん遊べたから。」と言うことはしょっちゅうだったけど! ただ、今思えば、園時代を懐かしむことができるということは、すでに自分が新しいステージに上がったことを分かっていたということでもある。その自覚が、行動を変えていくんだと思う。
小学校に入学すれば、そこからは長い長い勉強の日々が始まる。いやでも勉強をしなくてはならなくなる。
それを前倒しする必要が本当にあるのかな?
本当の入学準備ってそういうことじゃないんじゃない?
わたしはそう思いながら、お母さんたちの会話を聞いている。
ということで、長くなったけれど今日はこれでおしまい。
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